言いたいことはそれだけか

KotlinとかAndroidとかが好きです。調べたことをメモします。٩( 'ω' )و

産休・育休中に読んで良かった本のまとめ

はじめに

産休・育休中に読んで良かった本を周囲の方々に教えてもらったので読んで良かったもののメモ。オススメしてもらった量がすごいので、特に自分の興味にあっているものや実際の育児に役立った(子どもの個性に合ったor親のライフスタイルに合った)物を選んで書いていく。

実用的なやつ

ネントレ本

賛否両論ある(?)ジーナ本、うちの子には合っているようでやって良かった。生活リズムが早いうちから整ったことで家族全員が楽になった。あと1日のスケジュールが細かく決まっているのが逆に助かった。子育て中は意思決定に脳のリソースがかなり持っていかれる実感があるので、「あと1時間でミルク」「これが終わったらお風呂」などタスクを誰かに決めてもらうのが精神的に楽だった。

発達全般

細かい月齢ごとに何ができるようになる・どんなことに気をつけるかが書いてあるので非常に参考になった。月齢が上がるたびに見返している。

離乳食

これを読んで主食はライスシリアルにしたけど、その他は今のところ手作りしている。うちの子はブレンダーの音が怖いらしくマジ泣きするのでBaby Brezzaを買ってかなり助かった。

産後すれ違い対策

もしこれを読んでいるあなたが「今妊娠中で最高に幸せでハッピーな子育てライフが待っているはず!」という人であればここから先は読まない方がいいかもしれない。(私はビビリなので妊娠中にこの手の本をたくさん読んだが、今のところ夫との関係は変わらず良好である。)

産後クライシス

(009)産後クライシス (ポプラ新書)

(009)産後クライシス (ポプラ新書)

第1章から衝撃的なデータに横っ面を殴られる。そのデータとは、「配偶者といると本当に愛していると実感する」と答えた人の割合が男女でかなり差が出る。2歳時期になると夫が51.7%に対して妻が34.0%...ちなみに妊娠期は夫も妻も同じ74.3%なので2年間に何が起こったのか想像すると恐ろしくなる。こうした事態を避けるために妻向け・夫向けにそれぞれアドバイスが書かれていた。これだけ見ると夫を責める方向に向かうように見えるかもしれないが、実際は今の日本の社会システムのせいでで夫が育児参加したくてもできないなどの問題点が指摘されていて妻側の啓蒙にも良いと思う。

ふたりは同時に親になる

先ほどの「産後クライシス」よりも若干マイルドな気がする。一番記憶に残ったのは挿絵で、妻が赤ちゃんを背負って崖にぶら下がっているところを「(仕事で)俺無理だから家事代行頼めば?」と言って立ち去り家事代行の人と母が妻を引っ張り上げている絵(NGケース)と、「みんなを連れて助けに来たぞ!」と言って家事代行の人と母と一緒に妻を引っ張り上げる男性の絵(OKケース)。文字で説明するのが難しいので何言ってんだって感じだと思うけど、この絵を見たときにとても腹落ちした。

その他の感想はtweetのツリーをどうぞ

科学的な読み物

ここからは完全に趣味の話です。

ヒトの発達の謎を解く

赤ちゃんが大きくなる時に脳の中で何が起こっているのか?読んでいると「人間、よくこんなので社会を維持してるな…」って思える。内容が気になる方はこちらのツリーをどうぞ。

「家族の幸せ」の経済学

これは紹介してもらったのではなく、Kindleセールで見つけて面白そうだったのでポチったやつ。かなり良かった。社会学というか面白い統計データの紹介で、日本だとデータが少ないのか外国の事例が多かった。そのためどこまで日本社会に適用できるかわからないが普通に読んでて楽しかったのでおすすめ。 面白ポイントはこちらのツリーをどうぞ。

子どもは40000回質問する

これもKindleセールで買ったやつ。邦題が割とアレで、実際は子供にフォーカスした本ではなく、原題(Curious)の通り好奇心全般について書かれた本。なので育児本だと思って読み始めると肩透かしな可能性が高い。個人的には面白かったので興味がある人はこちらのツリーをどうぞ。

言いたいことは以上です。

Datastoreのエラーハンドリングの仕組みを調べたメモ

Android JetpackのDatastoreがリリースされた。1

developer.android.com

非同期処理でread/writeができるshared preferenceみたいなものかというぼんやりした理解だったが、このつぶやきを拝見して

Datastoreはどうやってエラーハンドリングしているのか興味を持ったので、内部実装を調べてみた。(ver. 1.0.0-alpha01)

Datastore内部実装

まず、writeに失敗してIOExceptionが出るのはここ

internal class SingleProcessDataStore<T>(

    internal fun writeData(newData: T) {
        file.createParentDirectories()

        val scratchFile = File(file.absolutePath + SCRATCH_SUFFIX)
        try {
            FileOutputStream(scratchFile).use { stream ->
                serializer.writeTo(newData, stream)
                stream.fd.sync()
                // TODO(b/151635324): fsync the directory, otherwise a badly timed crash could
                //  result in reverting to a previous state.
            }
            if (!scratchFile.renameTo(file)) {
                throw IOException("$scratchFile could not be renamed to $file")
            }
        } catch (ex: IOException) {
            if (scratchFile.exists()) {
                scratchFile.delete()
            }
            throw ex
        }
    }

ここで投げられたexceptionはdownstream channelに流れる。

    private val actor: SendChannel<Message<T>> = scope.actor(
        capacity = UNLIMITED
    ) {
        try {
            messageConsumer@ for (msg in channel) {
                if (msg.dataChannel.isClosedForSend) {
                    // The message was sent with an old, now closed, dataChannel. This means that
                    // our read failed.
                    continue@messageConsumer
                }

                try {
                    readAndInitOnce(msg.dataChannel)
                } catch (ex: Throwable) {
                    resetDataChannel(ex)
                    continue@messageConsumer
                }

                // We have successfully read data and sent it to downstreamChannel.

                if (msg is Message.Update) {
                    msg.ack.completeWith(
                        runCatching {
                            // この関数の中で上記のwriteData()がcallされている
                            transformAndWrite(msg.transform, downstreamChannel())
                        }
                    )
                }
            }
        } finally {
            // The scope has been cancelled. Cancel downstream in case there are any collectors
            // still active.
            downstreamChannel().cancel()
        }
    }

runCatching{}はblock内で発生したexceptionをResultでwrapして返却するので、exceptionはcompleteWith()の引数に渡される。
Message.UpdateのackはupdateData()でawaitされてreturnしている。

    override suspend fun updateData(transform: suspend (t: T) -> T): T {
        val ack = CompletableDeferred<T>()
        val dataChannel = downstreamChannel()
        val updateMsg = Message.Update<T>(transform, ack, dataChannel)

        actor.send(updateMsg)

        // If no read has succeeded yet, we need to wait on the result of the next read so we can
        // bubble exceptions up to the caller. Read exceptions are not bubbled up through ack.
        if (dataChannel.valueOrNull == null) {
            dataChannel.asFlow().first()
        }

        // Wait with same scope as the actor, so we're not waiting on a cancelled actor.
        return withContext(scope.coroutineContext) { ack.await() }
    }

で、このupdateData()DataStore#edit()でcallされる。

suspend fun DataStore<Preferences>.edit(
    transform: suspend (MutablePreferences) -> Unit
): Preferences {
    return this.updateData {
        // It's safe to return MutablePreferences since we make a defensive copy in
        // PreferencesDataStore.updateData()
        it.toMutablePreferences().apply { transform(this) }
    }
}

こうやって書けばエラーをハンドリングできる

Datastoreの使い方の概要ページ見たらeditをコールする時にexceptionのcatchとかしてないけど、disk書き込みエラーがたまーに発生するのであればちゃんとcatchした方がいいと思った。

下記は既存の値を読み込んで1足して保存する場合の例。

try {
    dataStore.edit { settings ->
        val currentValue = settings[KEY_FOO]?.toMutableSet() ?: mutableSetOf()
        settings[KEY_FOO] = currentValue + 1
    }
} catch (e: IOException) {
    // do something if need (e.g. retry)
}

ちなみにshared preferenceのapply)は特にexceptionを投げてくれないのでそもそもエラーを検出できないっぽい。


  1. Datastoreという名前だと、ググった時にGoogle Cloud Datastoreとカニバるので名前もうちょっとどうにかして欲しかったです。

MotionLayoutでvisibilityを制御するときのメモ書き

MotionLayoutでvisibilityを制御するときにちょっと困ったのでメモを残す。

やりたいこと

  • あるイベント契機でアニメーションを表示する
    • イベントはコードからtrigger
    • アニメーションとして画像を画面中央から上部に動かす(Twitterのお誕生日の風船みたいな感じ)
  • アニメーションはMotionLayoutでstartとendを定義するが、startのタイミングでvisibilityをVISIBLEにしたい。

こうやれば動くよ

Layout定義

最低限のattributeだけ書く。残りはいい感じに補完すること。 アニメーションしたい画像のvisibilityはGONEにしておく。

<androidx.constraintlayout.motion.widget.MotionLayout
    android:id="@+id/motion_base"

    >

    <ImageView
        android:id="@+id/animation_image"
        android:visibility="gone"

    />
/>

MotionScene

ポイントはvisibilityの設定をLayoutタグの中ではなく、PropertySetの中に記載すること。ちなみにLayoutタグの中でvisibilityをVISIBLEにしてしまうとxml layout fileが読み込まれたタイミングでvisibilityがVISIBLEになってしまう。(Layoutタグの中は省略しているので適宜補完。)

<MotionScene 
    xmlns:android="http://schemas.android.com/apk/res/android"
    xmlns:app="http://schemas.android.com/apk/res-auto"
    xmlns:motion="http://schemas.android.com/apk/res-auto">

    <Transition
        motion:constraintSetEnd="@+id/end"
        motion:constraintSetStart="@id/start"
        motion:duration="1000">
    </Transition>

    <ConstraintSet android:id="@+id/start">
        <Constraint android:id="@+id/animation_image">
            <Layout
                android:layout_width="0dp"
                android:layout_height="wrap_content"/>
            <PropertySet
                android:visibility="visible"
                app:visibilityMode="ignore" />
        </Constraint>
    </ConstraintSet>

    <ConstraintSet android:id="@+id/end">
        <Constraint
            android:id="@+id/animation_image"
            android:translationY="-300dp" />
    </ConstraintSet>
</MotionScene>

アニメーションをtriggerするコード

PropertySetでvisibilityを変更するのに加えて、アニメーションをtriggerする直前にコードでもvisibilityを変えてやらないとVISIBLEにならない。

findViewById<ImageView>(R.id.animation_image).visibility = View.VISIBLE
findViewById<MotionLayout>(R.id.motion_base).transitionToEnd()

言いたいことは以上です。

Scoped Storageでパス指定してファイルにアクセスできなくなった

はじめに

見て見ぬふりをしてきたScoped Storageにハマったのでメモ書きを残す。

Android Q (10) から導入されたScoped Storage。「端末内部のfileやらのアクセス権限周りや保存領域が変わったんだろうなー」くらいの雑な理解で見て見ぬふりを続けてきたが思わぬところでハマってしまった。

Glideで画像を表示できなくなった

以前は動いていたコードが動かなくなった。具体的にはContentResolver経由で MediaStore.Video.Media.DATA のStringを取ってきて、Glideのinto()に渡してもpermissionがないというerrorが出て画像が表示されない。

val PROJECTION = listOf(
    MediaStore.Video.Media.DATA,
)

val cursor = context.contentResolver.query(MediaStore.Video.Media.EXTERNAL_CONTENT_URI, PROJECTION.toTypedArray(),
        null, null, MediaStore.Video.Media.DATE_MODIFIED)

if (cursor.moveToLast()) {
    do {
        val data = cursor.getString(cursor.getColumnIndex(PROJECTION[0]))
    } while (cursor.moveToPrevious())
}
cursor.close()
Glide.with(context.applicationContext)
    .load(data)
    .into(imageView) // 表示されない

AndroidManifestに android:requestLegacyExternalStorage="true" をつけてやると上記のコードでも動くので、Scoped Storage周りで問題が起きているのは間違いない。ちなみに、android:requestLegacyExternalStorage="true"でとりあえずこの問題は回避できるが、

警告: 来年度のメジャー プラットフォーム リリースでは、ターゲット SDK レベルに関係なく、すべてのアプリで対象範囲別ストレージが必須となります。

とあるので早めに対処することをお勧めする。

developer.android.com

^ 上記ページはなぜか言語設定を英語にすると別のページに転送される。同じ内容の英語リソースが見つけられなかった。

対処法

Scoped Storageが導入に伴い、MediaStore.Video.Media.DATAがdeprecatedになった。代わりにBaseColumns._IDを取得し、ContentUris.withAppendedId()を使ってUriを取得すれば行ける。

参考

medium.com

以下コード例

val PROJECTION = listOf(
        BaseColumns._ID,
)

val cursor = context.contentResolver.query(MediaStore.Video.Media.EXTERNAL_CONTENT_URI, PROJECTION.toTypedArray(),
        null, null, MediaStore.Video.Media.DATE_MODIFIED)

if (cursor.moveToLast()) {
    do {
        val idColumnIndex = cursor.getColumnIndex(PROJECTION[0])
        val contentUri = ContentUris.withAppendedId(
                MediaStore.Video.Media.EXTERNAL_CONTENT_URI,
                cursor.getLong(idColumnIndex)
        )
    } while (cursor.moveToPrevious())
}
cursor.close()
Glide.with(context.applicationContext)
    .load(contentUri.toString) // 同じString型を渡しても今後は表示される
    .into(imageView)

何が起きているのか

せっかくなのでGlideの内部実装を追ってみた。(version: 4.11.0)

into()がコールされた後に画像のロードが走るが、その際にload()で渡されたstringのパターンを見ている。stringが '/'で始まるかどうかで処理が分岐する。

public class StringLoader<Data> implements ModelLoader<String, Data> {

  @Nullable
  private static Uri parseUri(String model) {
    Uri uri;
    if (TextUtils.isEmpty(model)) {
      return null;
      // See https://pmd.github.io/pmd-6.0.0/pmd_rules_java_performance.html#simplifystartswith
    } else if (model.charAt(0) == '/') {
      uri = toFileUri(model);
    } else {
      uri = Uri.parse(model);
      String scheme = uri.getScheme();
      if (scheme == null) {
        uri = toFileUri(model);
      }
    }
    return uri;
  }

  private static Uri toFileUri(String path) {
    return Uri.fromFile(new File(path));
  }

MediaStore.Video.Media.DATA でStringを取ってくる場合は/で始まるパスになっている。
例:

/storage/emulated/0/DCIM/Camera/VID_20200821_00000001.mp4

一方、BaseColumns._IDからUriを取得する場合は(当たり前だが)パスではなくUriになっている。
例:

content://media/external/video/media/12345

ここでの処理の分岐で画像が出たり出なかったりする。

前者はパスを指定してFileオブジェクトを生成しようとするが、ここでpermissionがないとしてerrorになる。下記リンクは先ほどと同じページだが、パス経由でファイルにアクセスできないと明記してある。繰り返しになるが、この情報は英語リソースで見つけることができない。誰か見つけたらリンク教えてください…

注: 対象範囲別ストレージするアプリは、「/sdcard/DCIM/IMG1024.JPG」のようなパスに対する直接カーネル アクセス権限を有していません。アプリがこのようなファイルにアクセスするには、MediaStore を使用して、openFile() などのメソッドを呼び出す必要があります。

developer.android.com

複数のsubscribersに対応したFlowとテストの書き方

MVVMアーキテクチャにおいて、一つのModelを複数のView Modelで共有している場合、あるイベントを複数のView Modelで同時に受け取りたいことがある。これをKotlin Coroutine Flowを使って書くとどうなるのかなぁと思ったのでやってみたメモ。テストも書いた。

前回のエントリでPaging Library 3の内部実装を読んだ際に同じようなことをやっているようなコード があったので参考にした。

muumuutech.hatenablog.com

実装例

例として「requestがあったらremote source (api serverとか)から何か値を取ってきてflowにemitする」ようなservice classを実装する。コード例はこちらのgistにまとめてある。

Example of Kotlin Coroutine Flow with multiple subscribers · GitHub

まずはクラス定義。コンストラクタ引数にCoroutineDispatcherを渡せるようにしておく。これはテストの時にTestCoroutineDispatcherでcoroutineを動かすために必要。デフォルト引数でDispatchers.IOを指定し、テスト以外では引数を指定しなくて良いようにしておいた。

class FooService(private val dispatcher: CoroutineDispatcher = Dispatchers.IO) {

privateなchannelを定義する。複数のsubscribersに対応できるようにConflatedBroadcastChannelを使う。

    @OptIn(kotlinx.coroutines.ExperimentalCoroutinesApi::class)
    private val fooChannel = ConflatedBroadcastChannel<Unit>()

上記のchannelをasFlow()を使ってflowに変換し、class外にexposeする。

    @OptIn(
        kotlinx.coroutines.FlowPreview::class,
        kotlinx.coroutines.ExperimentalCoroutinesApi::class
    )
    val fooFlow = fooChannel.asFlow().map { getFooFromRemoteSource() }.flowOn(dispatcher)

    private fun getFooFromRemoteSource(): String {
        val result = "result" // ここでremote sourceから値をfetchすることを想定
        return result
    }

これでchannelにeventが流れてきた時にmap節の中で変換した値をflowに流すことができる。今回はuserのclick動作など、引数がない場合を想定したのでUnitを流しているが、引数が必要であればUnitの代わりにそのtypeを定義する。mapで変換した後にflowOn()でどのdispatcherを使うか指定している。(この理由は上記で書いた通りtestの時に必要になるから。)

ここでmap節のなかでwithContext()などで動作するthreadを指定していると、testが動いているthreadと切り替えが発生し、処理が並列で動いた結果期待した挙動にならないことがある。(私はこれに気がつかずかなり時間を消費してしまった😩)

最後に、channelがprivateなので外からtriggerできるような関数を定義する。

    @OptIn(kotlinx.coroutines.ExperimentalCoroutinesApi::class)
    fun requestFoo() {
        fooChannel.offer(Unit)
    }

テスト例

上記のservice classのunit test codeを書いていく。

Coroutineのtestなので、test scopeとtest dispatcherを用意する。

    @OptIn(kotlinx.coroutines.ExperimentalCoroutinesApi::class)
    private val testScope = TestCoroutineScope()

    @OptIn(kotlinx.coroutines.ExperimentalCoroutinesApi::class)
    private val dispatcher = TestCoroutineDispatcher()

@Beforeなfunctionでテスト対象を初期化。

    private lateinit var fooService: FooService

    @Before
    fun setup() {
        fooService = FooService(dispatcher)
    }

requestFoo()がtriggerとなり、fooFlowに値が流れてくることを確認するテスト。

   @OptIn(kotlinx.coroutines.ExperimentalCoroutinesApi::class)
    @Test
    fun `requestFoo() should trigger getting foo and fooFlow emit foo`() {
        testScope.runBlockingTest {
            val foo = mutableListOf<String>()
            val job = launch {
                fooService.fooFlow.collect { foo.add(it) }
            }

            // ここではまだfooは空
            assertThat(foo).isEmpty()

            fooService.requestFoo()

            assertThat(foo).isEqualTo(listOf("result"))

            job.cancel()
        }
    }

TestCoroutineScope.runBlockingTestはまだまだ不安定という記事をどこかで見かけた気がしたが、自分の環境(1.3.7)では上記のコードは問題なく動いていた。ただ、この例だと特にdelayが発生しないのでrunBlockingTestを使う理由も特にない。気になる人はrunBlockingを使えば良いと思う。
また、fooをlistにするべきかは議論があるかもしれないが、個人的には「一度のtriggerで一回しか値が流れてこないこと」を確認できるのでlistで良いと思っている。

Paging Library 3の内部実装読んだメモ書き

はじめに

Paging Library 3が発表された際、Full Kotlinで書かれてCoroutineもたくさん使われているということで話題になった。せっかくなので内部実装を読んでみた時のメモを雑に残しておく。

今回みたバージョンは 3.0.0-alpha01

PagingLibraryをどう使うかは下記のCodelabを参考にした。

codelabs.developers.google.com

学びメモ

  • 今までRxJavaで「Signalをemitしたい(emitされるvalueに意味はない場合 e.g. ユーザのclickを検出したい時とか)場合」にboolean trueとか適当な値を流していたけど、Kotlin CoroutineのflowでUnit型をemitしているコードがあってなるほどなぁと思った。
  • FlowonStart()onCompletion(), onEmpty() などの拡張関数が生えている。onEmpty()ってどういう時に使いたくなるんだろう
  • class内部では ConflatedBroadcastChannel を使っていて、拡張関数ConflatedBroadcastChannel.asFlow()を使って外部に提供している部分がたくさんある
  • 上記で提供されるflowは拡張関数 Flow.asLiveData() を使ってLiveDataに変換することができる
  • LiveData.switchMap() を使ってMutableLaveData A にvalue a がpostされたタイミングでそのvalueを使って何か処理を行い Mutable Live Data B にtransformしたvalue b をpostすることができる
  • Flow.scan() 便利。initial valueにnullを入れる場合は null as MulticastedPagingData<T>? のようにnullをcastして渡していた
  • MergedAdapterは次のversionくらいでConcatAdapterに変更されるっぽい。PagingDataAdapter.withLoadStateHeaderAndFooter()MergedAdapterを返却しているので注意。(rename前の今も実際の挙動はmergeではなくconcat)

実装の詳細メモ

1. PagingDataAdapter

  • RecyclerView.Adapter をextendしている
  • submitData() がトリガーとなってdetaがセットされる
    • 引数は PagingData 型になっている。
      • PagingDataFlow<PageEvent<T>> 型であるflowとUiReceiverをもつ
      • PagingDataの生成はPager.flow から取ってくることができる
        • Pager.flowPageFetcher.flow から作られている
          • PageFetcher.flow はKotlin Coroutineがchainになっていて読んでて楽しい。
    • 実際の処理は AsyncPagingDataDiffer に移譲している
  • Flow<Unit> 型の dataRefreshFlow が生えていてアプリケーションはこれをcollectしてdataの更新を検知することができる

2. AsyncPagingDataDiffer

  • PagingDataDiffer を持っていてdiffを計算してくれる
    • diffの計算は Dispatchers.Main のcontextで走る
  • Kotlin coroutineのjobを持っていて複数のdiff計算が走らないように制御してくれる

3. PagingDataDiffer

  • abstract classなので、実際はこれを実装したobjectが AsyncPagingDataDiffer クラスに定義されている
  • suspend funである collectFrom() を持っている。PagingDataのflowからデータを取得してDispatchers.Main のcontextでdiffを計算しPageEventの種類によってPagePresenterにinsert/dropのeventを処理させる。

4. PagePresenter

  • page情報を保持するクラスで NullPaddedListを実装している
  • PresenterCallback というinterfaceを持っていて、dataが更新されるとこのcallbackが発火する。 イベント発火後、AsyncPagingDataDifferPresenterCallback はrecycler viewの ListUpdateCallback に変換されてリストが更新される。

MotionLayoutの覚書き

はじめに

MotionLayoutが発表されて随分経った。「Android Studio 4系が必須でMotion Editorが来るのを待っていた」という言い訳で長い間スルーしていたが、そろそろ4系が安定して来たという話をちらほら聞くのでちょっとさわってみた。結果、Motion Editorなくても全然xml tag手書きでいけるということがわかったのでメモを残す。

ちなみにさわったのはこちらのcodelab。

codelabs.developers.google.com

MotionLayoutの基本

  • ConstraintLayoutを継承したMotionLayoutをparent viewとする
  • MotionLayoutのtag内にapp:layoutDescription="@xml/foo"といったようにMotionSceneを定義したxmlファイル名を指定する
  • MotionSceneにはTransitionConstraintSetを定義

Transition

  • Transitionのtag内にapp:constraintSetStart="@+id/start"みたいな感じでanimationのstart/endのConstraintSetを指定
  • Animationの契機となるOnClickOnSwipeなどはTransitionの中で定義する
  • animationのstart/endの間のPathを定義したい場合はTransitionの中でKeyFrameSetとその中にKeyPositionを定義する
  • KeyPosition
    • keyPositionTypeでどのようにMotionが変化するか指定する
    • 各typeについてはここを参照
      • parentRelativeはscreenと同じく左上が(0, 0)
  • animationのstart/endの間のview propertyを変えたい場合は KeyAttributeを定義する
    • KeyAttributeの中でCustomAttributeを設定することができる
    • CustomAttributeapp:attributeNameには対象クラスに定義されたsetter nameを指定する。(setXxxYyy()を使いたい場合はapp:attributeName="XxxYyy"になる。)

ConstraintSet

  • ConstraintSetの中ではanimationしたいviewごとにConstraintを定義
  • Constraintandroid:idには対象のviewを指定
  • layout fileに書いた各attributeはConstraintSetのxmlに定義したものに上書きされてしまう。 1そのため、android:layout_widthandroid:layout_heightを各Constraintで指定する必要がある。

覚えておきたい便利な機能・Tips

  • app:motionDebug="SHOW_PATH"MotionLayout のtagに入れることでmotionのpathをアプリ上で表示することができる
  • touchAnchorSideは基本的に一直線に進む方向を指定する必要がある(そうでないとanimationがおかしくなる場合がある)が、複雑なpathを書きたい場合はどの方向にも一直線に進まないケースがある。その場合はinvisibleなviewを一つ作ってそいつをanchorにするとうまくいく。
    • あるいはapp:dragDirectionを追加で指定することで解決するかもしれない
  • コードからmotionを動かしたいときはMotionLayout#setProgress(float pos)を使う
  • 既存のConstraintLayoutをMotionLayoutにconvertしたい場合は、下記手順で自動でconvertしてくれる
    1. layout xmlファイルを開く
    2. design serfaceを選択
    3. preview画面上で右クリック
    4. Convert to Motion Layout`を選択
  • ConstraintSetを使う時は全てのchildにidつけてやらないとDesign tabのpreviewもうまくrenderされない。またapp実行時に下記のRuntimeExceptionがthrowされる

    java.lang.RuntimeException: All children of ConstraintLayout must have ids to use ConstraintSet