言いたいことはそれだけか

KotlinとかAndroidとかが好きです。調べたことをメモします。٩( 'ω' )و

私が出会った最高のEMたち

[2020.12.8 追記]
ブコメでEMが何かわからないと書かれていたので補足。EM = Engineering Managerです。EM菌ではありません!!!
[追記ここまで]

今の会社でお世話になったEMの人たちのマネジメントがとてもよかったので育休で全てを忘れる前にメモを残す。EMの話題はよく見かけるけれど、マネジメントされる側の視点で語られることがあまりなかった気がするのでいい記録になるかもしれない。

前提

  • 自分: メンバー(マネジメントされる側)。Androidエンジニア。ある程度放置されても自走できる。
  • EM: 一人ではなく複数。(歴代という意味。同時に複数人のEMにマネジメントされたという意味ではない。)彼らはみなAndroidエンジニアではないがモバイルもしくはフロントエンドのエンジニア。なので技術の相談はしないが、開発業務そのものについてはとても詳しい。
  • 組織: エンジニアリング組織がある程度きっちり作られているので、レポートラインも明確だし評価の基準も明確。OKRで目標を管理する。

ここがよかった!マネジメントポイント

認識を最初に合わせる

マネジメントで個人的に一番重要だと思っているのは、(1)期待値を共有して (2)目標を合意し (3)目標が達成できたか一緒に振り返る(=評価) のサイクルがちゃんと回っていることだと思う。1
(1)の期待値を共有する前に、まずマネジメントされる側(私)がどういうタイプで何を重視しているか聞いてもらえたのが面白いなと思った。確かに、「会社ではそこそこのお給料もらって残業せずに趣味のOSS活動に時間と脳のリソースを割きたい」というタイプの人に「こうすれば昇進できるからもっと頑張ろう!こういう目標どう!?!?」みたいな話しても全く響かないと思う。ちなみに自分は普通に昇進してお給料上げたいタイプ。今の自分がこういうタイプです、という前提を共有して(1)、じゃあ今後どういうキャリアに進みたいか?そのために今期はこういう目標にしましょうという合意をする(2)。(2)で決めた目標は定期的な1on1で二人でチェック。ヤバそうだったら相談し、期末の評価時に決定的な手遅れな状態になるのを防ぐ。2 この1on1も、何のためにやるのか(目標の進捗チェック?それともただの雑談?)を最初に共有するのが大事。ある程度放っておかれてもそれなりに仕事をこなせる人にもちゃんと定期的に時間をかけてくれるのはありがたかった。3
また、1on1ではマネジメントされる側の話を一方的にするのではなく、マネジメントするがわが今どういう状況なのかシェアしてくれるのもよかった。

相談した時のアクションがめちゃ早い

1on1で「これもしかしたら後々問題になるかも」とぽろっと言ったことに対し、数時間後には関係者に連絡がとられ会議が設定され、そのままいい感じに解決されたことがあって本当にすごいと思った。相談した時のアクションが素早いと信頼貯金が爆上がりするし次も相談しようという気になる。次も相談したくなるというのは大事なポイントだと思っていて、「この人に何言ってもしょうがないな…」と思われたらマネジメント関係が成り立たなくなり相互に不幸である。

叱る時のポイント

マネージャーは何かをやらかしたメンバーを叱る必要がある。よく言われる事だが、みんなの前ではなく会議室に呼び出されて注意されたのは注意される側としてよかった。叱るときも「今回は初めてだからいいよ。誰でも失敗するから。でも次からはダメだよ」と仏のような注意だった😇

キャリアアップを手伝ってくれる

「一つ上のレベルに昇進させたいんだけど、ボードメンバーを説得するにはhogehogeの経験がないと厳しい…そういうわけでこのプロジェクトやってみない?」その後本当にレベルが上がって最高オブ最高でした。ありがとうございました。

信頼貯金を失うことをしない

私は初対面の人のことを基本的にいい人だと思っているので、その人が(私にとって)残念なことをしない限りは信頼貯金が失われることはない。信頼貯金を失うような行動というのは人によると思うが、一般的に「約束をちゃんと守る」「人を傷つけるような行動はしない」「自分の職務は責任を持って行う」など人として当たり前のことを守っていれば大丈夫じゃないかなと思っている。当たり前と書いたが、この当たり前を当たり前に実行できる人は意外と少ないのではないかなと思う。

マネジメントされる側としてやるといいこと

ドキュメントを用意する

話したいトピックを1on1までに事前にドキュメントに書いておく。箇条書きレベルで良い。1on1ではそのドキュメントをお互い見ながら話をする。Google docsなどリアルタイムで共同編集できる物があると良い。話しながらアドバイスやNext action、追加で話した話題などを書き込んでいくとそのまま議事録になるし、書かれたことが意図と違うとそこで気がつけるのであとで困ったことにならないで済む。この議事録は期末の自己評価の際にも使えるので便利。

自分からアラートがあげられる

当たり前だけど、困ったことが起きたときは自分からちゃんとアラートをあげられることが大事。定期的な1on1の予定がずっと先で、このままでは手遅れになりそうだったらちゃんとEMを捕まえて報告・相談する。上記の「認識を最初に合わせる」でも書いたが、ここで「EMがどれくらい忙しそうか?」「今EMがやっている仕事内容よりも優先的に聞いてもらうべき内容か?」を判断するために日頃からEMが今何をやっていてどれくらい忙しいかを把握しておいた方がいい。

おまけ:1on1のときにいつも聞いていたこと

  • 「私が知っておくべきことは何かありますか?」
    • 自分が関わる他チームの動向なんかを教えてもらえることがある
  • 「今何に忙しいですか?」
    • 上で書いた通り

言いたいことは以上です。


  1. あくまでマネジメントするのであればという前提の話。初期フェーズのベンチャーでは期毎の目標とか決めてもすぐに状況が変わったりするので、とにかく前に進めることが最重要でマネジメントとかしないんじゃないかなと妄想しています。初期のベンチャーで働いたことないので妄想です。

  2. 個人的に期末で「あの時のあれがアレだったので評価据え置き」「本当はあの時ああして欲しかったんだよね」みたいな事言われるの、結構モチベーション削られる。

  3. 手をかけないといけない人に手をかけるのは必要だが、実は手をかけなくても大丈夫な人にこそもっと伸びてもらうために手をかけるべきという説がこの本で紹介されていて面白かった。